3. お歌や絵本の暗唱
毎日お歌や絵本の音源を英語でたっぷり聞く生活が続くと、ある日お子様が英語の歌を口ずさんでいる場面に出会います。
これが、暗唱を始めるサインです!
英語の「暗唱」なんて、うちの子には無理!と考えるお母さま。難しく考えることはありませんよ。英語のお歌から始めたら、割とすんなり暗唱癖をつけることができます。次の解説を参考にチャレンジしてみてくださいね。
ポイントは次のとおりです。
● 暗唱は歌を歌うことから始める
● 最初の絵本の暗唱は、耳で十分楽しんでから始める
● お子様の「見せたい」という気持ちを応援する(無理強いはしない)
暗唱を始めたいと考えていらっしゃるということは、すでに毎日2時間の英語のかけ流しができていて、英語絵本の読み聞かせも進めていらっしゃるのだと思います。
もしまだその二つに取り組めていない場合は、暗唱の前にまずこちらをご一読ください。
1.英語ソングのかけ流し、詳しくは⇒こちら
2.絵本の読み聞かせについて、詳しくは⇒こちら
また、まだ母語でも発話がないお子様は、母語の発話がある程度進んでから暗唱を始めることをお勧めします。慌てず最適な時期を待つことも大切です。
毎日かけ流しをしていると、気づいたらその歌をお子さんが一人で歌ったりハミングしていたりすることがあります。これが暗唱スタートのサインです。
上手だね、とほめてあげて、一緒に歌ってあげましょう。お母さまは歌詞カードを見ながら歌って、さりげなく歌詞があいまいなところをサポートしてあげてください。7割程度歌えるようになったなと思ったら、誰かに見せてあげるミニ発表会を行いましょう。
もし英語を習っているのでしたら、そのお教室の先生が最適です。大げさに褒めてくれて、お子様のモチベーションが上がり、次の暗唱へとスムーズに進むことができると思います。特に習っていない場合でも大丈夫。お父様やおじいちゃん、おばあちゃんなど、誰かにお願いして聞いて貰い、いっぱい褒めてもらいましょう。
もし聞いてもらう適当な人がいない場合は、ビデオ撮影をして上手に撮れたものをお子様と一緒に鑑賞する、というのもいいアイデアだと思います。
これを繰り返して、何曲か歌えるようになってきたら、徐々に音源付きの絵本の暗唱へと進んでいきましょう。
ご褒美にシールなどの小道具を使うと、お子様のモチベーションが上がりますよ。やった分だけシールが増えていき「見える化」できるので、日々継続するお母さまも「これ見て頑張ろう」となるようです。
時間はかかっても、シールはお子様自身が選んで貼るように促しましょう。
臨界期前のお子様の脳では、言葉を耳だけで記憶する能力がものすごく優れています。英語の歌と一緒に絵本の音源を何度も聞いていると、絵本のページを見ただけで、ネイティブの発音が頭の中で流れてくるほどです。
ですからお母さんは、ご自分が絵本を読む時には発音を気にする必要がないのです。お子様の脳内では、きちんと二つの発音を調整してくれているのですから。
逆に言えば、お子様が音を覚えるほど十分聞いた絵本から暗唱を始めてください。ページを見ても音が出てこないようでしたら、まだ十分聞いていないということになります。根気よくかけ流しを継続して、お子様の口から絵本の内容が出てくるのを待ちましょう。ここで暗唱を進めることを優先させ、「次はこうでしょ、こうでしょ」と急かして覚えさせてしまうお母さまが稀にいらっしゃるのですが、そうしてしまうと①発音がお母さまと同じ発音になります。発音に自信があるお母さまでしたら、これは特に問題ありませんが、もう一つ影響があります。②意識的に覚えてしまうので、短期記憶になり、せっかく覚えてもすぐに忘れてしまいます。
意識的な記憶とファジー語彙について、詳しくは⇒こちら
かけ流しを通して無意識に覚えた語彙(ファジー語彙)は後で呼び出せば将来的にも使える記憶になりますが、強制されて覚えた言葉は時間が経てば忘れてしまう短期記憶になります。試験の一夜漬けで覚えたことはすぐに忘れてしまうのと似ていますよね。
せっかくなので、大人になってからも使える長期記憶を育てましょう。