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ファジー語彙とは

最近おうち時間が増え、パソコンを酷使しすぎていたのか、壊れてしまいました。まだ買って2,3年。こんなに早くダメになるものなのでしょうか。

これまでDELLばかり使用していましたが、今回初めて日系メーカーのPCを使い、セットアップの説明がとても親切なのに感動いたしました。新しいパソコン、大事に使いたいと思います。

さて、Neo Kidsの会員様には耳にタコができるほど説明している『ファジー語彙』について、あらためて以下のようにまとめてみましたので、ご一読いただければと思います。

英語教育では、アクティブ語彙*とパッシブ語彙*という2種類の語彙について語られることが多いのですが、私はこれに「ファジー語彙」を加え3種類あると考えています。

アクティブ語彙とは発話に使えるボキャブラリー。パッシブ語彙は見たり聞いたりしたらわかるけど、自分でアウトプットできるほど使いこなせていないボキャブラリー。スピーキングが苦手な日本人はアクティブ語彙が少ないためと言われています。

ファジー語彙とは、小さなお子様が言葉を覚える過程において、ぼんやりと無意識にお子様の頭の中に入ったボキャブラリーのこと。会員の保護者様に説明するために、私が作った造語です。

語彙を獲得する段階には3段階のステップがあり、次のように進んでいきます。

ファジー語彙→パッシブ語彙→アクティブ語彙

ファジー語彙には、二つの大きな特徴があります。

1. 無意識に無限に蓄積できる

2. ぼんやりとした記憶のまま長期的に保管

  ⇒大人になって必要となった時に確実な記憶へと変化できる

​まずは一つ目の特徴、無意識に無限に についてご注目ください。

あなたは英単語を覚える時に、どんな風にして覚えてきましたか?

私の学生時代は、ひたすら書いて書いて書きまくって覚えました。

音を聞く教材は手元になかったので、発音はまず発音記号で覚え、単語のスペルと一緒に発音記号も書いて、なかなか覚えられない単語はレポート用紙一枚をひとつの単語のために使ってしまったり(笑)

一度も本物の発音を聞かずに覚えていたので、後でリスニング能力を伸ばすのが大変でした。実に非効率なやり方で、とっても時間がかかりますし限界があります。

今はそんな覚え方をしている人はいないと思います。今現役でお子様のおうち英語を実践しているお母さま達は、最初から音のある電子辞書や、もしかしたらアプリなどを利用して英単語を習得なさったのではないでしょうか。私の古典的なやり方に比べたら、効率は上がっていると思いますが、一日で覚えられる単語はがんばって15語程度だったのではないでしょうか。しかも一度覚えたはずの単語を忘れてしまった、という経験を何度も繰り返していると思います。

言語習得に最適な臨界期前のお子様の場合、もっともっと効率的に言語を問わずボキャブラリーを増やしていくことができます。ただし、記憶の仕方は無意識かつぼんやりと覚えていきます。音だけでも記憶ができますので、家でくつろいでいる時、積み木をして遊んでいる時、BGMでかかっている歌の中の言葉。公園の砂場で遊んでいる間に、知らない誰かがしゃべっていた言葉。お子様は、生きているそのすべてがいわば学習時間なのです。日本国内に住んでいれば、多くの場合英語のアウトプットの機会があまりありませんので、自分にも他人にも、どれだけ「ぼんやりと」語彙を獲得しているのかは分かりませんが、脳内環境としては無限のインプットが可能です。一日のかけ流し時間を2時間としているのは、ネイティブ並みの耳からのインプット量に合わせるためなのです。

イメージとしたら下の図のようになります。左がお子様の覚え方、右が私たちの覚え方をイメージしています。

左図:ファジー語彙=お子様の脳内で格納されている状態。

無意識にうろ覚えした言葉など。輪郭がぼやけているが、きっかけがあれば容易に右図のような完璧な記憶となる。一度覚えると長期的に記憶しておける。

右図:通常の記憶の状態。はっきりと確実に覚えたもの。

試験勉強などで、意識的に覚えるので記憶するにはそれなりの時間と努力が必要。一度覚えても、時々思い出さないとすぐに忘れてしまう。

​上の図では、音を表現できていませんが、お子様が小さいうちは耳だけでも記憶し音を忠実にコピーする能力がありますから、音のインプットと定期的なアウトプットの機会を設けるだけで、正しい発音を身につけることができます。

「小さいうちに海外に住んでいたけど、すっかり英語を忘れちゃったわ」という方でも、発音は素晴らしく良い方がいるのはそのためです。

次に、二つ目の特徴、ぼんやりとした記憶のまま長期的に保管 という点について解説します。

上述しましたとおり、お子様が小さいうちは耳だけでも記憶できます。そして発音を習わずとも、正しい発音でまねっこする能力に長けています。また視覚的なイメージをあわせて記憶する場合は、フォトリーディングに近い記憶の仕方をします。

フォトリーディングというのは、速読法の類で、文章を文字や単語ひとつひとつ読んで進めるのではなく、写真を撮るようにページ全体を瞬時に記憶してコンテンツを把握していくメソッドです。

大人向けに速読法やフォトリーディングについてのセミナーなどが開催されていますが、このメソッド自体の是非については、学者さんの中でも意見が分かれています。ここでは、子どもの記憶法の例えといてサラッと流してくださいね。

例えば、幼児がイラストと英単語のフラッシュカードを学習するとします。

幼児の脳の中では、フラッシュカードはイラストと文字が同時に映った写真のように記憶されます。どこまで明確に脳内に収まるのかは個人差がありますが、私の経験では、楽しみながら学習している時の方が効果が高いように思います。写真のように取り込むので、Power Pointのファイルを、スキャンしてPDFで取り込むような感じです。単語の文字列はアルファベットの集合体ではなく、固まりとして一つのアートのようにメージで記憶します。意味が分からなくても、その時に見たイラストや写真とともに、どんどん無意識に記憶していけるのです。スキャナーの精度によって画質が変わるように、個人差によってイメージの強さと保持できる期間が異なります。

この能力が有効なのは、生まれてから臨界期(8歳〜12歳くらいまで。個人差あり)になるまでのごくわずかな間だけ。この段階で文字を意識させてしまったり、意識して単語のスペルを覚えさせたりテストして無理やり覚えさせようとしたりするのは、みすみすこの能力を損なわせてしまうということになります。PDFなら軽くてサクサク動いたPCがPower Pointのファイルだと、重くて開くのにも転送するのにも時間がかかるのに似ています。

そんなのもったいないと思いませんか?

日本語もおぼつかない赤ちゃんや幼児ですから、日本語でも英語でも、意味が分からなくても全く問題なく無意識にイメージを脳に詰め込んでいくことができます。そしてこの記憶はありがたいことに長期間脳内にとどまってくれるのです。

大人になってその単語が必要になった時には、気づけばスペルまで覚えていた。「え、何で覚えているの?暗記した記憶がないのに・・・」という魔法のようなお話になるわけです。これは、ファイルを圧縮して外付けハードディスクに保管し、必要になったときに取り出すのに似ていると思います。

このように、​ずーっと記憶に留まるフラッシュカードのイラストや写真ですから、教材としての質がとても重要。おうち英語をはりきっているお母さまの中には、カードを手作りしている人も多いのですが、こうした仕組みをしっかり理解して作られた教材を使って効率的に取り組んでいきたいものです。

​インプットをすればするほどファジー語彙が増えていき、後々の勉強がラクになるのはとても便利ですよね。

耳からのインプットは、毎日のかけ流し、視覚も使ったインプットは良質な絵本の読み聞かせ、この二つで十分だと思います。さらに3歳を過ぎたお子様でしたら、DVD等の動画を使ったインプットも有効です。You tubeの中には、優れた動画もありますが、CMが入ってしまうことが多くコンテンツの質もマチマチなので、教材として販売されているものの購入をされた方が、効果も高く時間も節約できるかと思います。

​アクション語彙、パッシブ語彙につぐ、第三のボキャブラリーグループ「ファジー語彙」について、ご理解頂けましたでしょうか?楽しいだけで終わってしまう幼児英語と、将来にわたって役に立つ幼児英語。二つの違いはファジー語彙にあると言っても過言ではありません。

臨界期前の大切な時期に、将来にもわたって使えるたくさんのファジー語彙をプレゼントしてあげてくださいね。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

おうち英語の始め方→こちら

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