ノアの方舟、乗るか降りるか
とうとう緊急事態宣言が全国に拡大されました。
これまで集中的な拡大傾向は都市部に限定されていましたが、都市が緊急事態に突入したことで窮屈に感じた一部の人が地方へ向かったために、感染が拡大されました。
首都圏として最初の緊急事態宣言を免れた茨城県の居酒屋やパチンコ店には、都内のナンバープレートを付けた車でごった返していたそうです。
この全国への拡大は、完全に人の行動が招いた結果になります。
日本人の善意を信じていた身としては、残念でなりません。
医療現場で戦っている方々に対して、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
このような危機は、人類は過去に何度か経験してきました。
歴史に残る3つのパンデミックについて、下のようにまとめてみました。
・病 名①年代②患者数③致死率④死亡者数⑤変化
・黒死病(ペスト)①14世紀②世界の22%③30-60%④1億人⑤ニュートンが疎開先で万有引力発見
・スペイン風邪①1918-1919年②世界の25-30%③2.50%人④4千万人⑤第一次世界大戦終結
・新型コロナCOVIT-19 ①2020年ー②230万人*③不明④16万人* ⑤❓
*2020年4月19日の数字
新型コロナについては、まだまだ数字が伸びていくと思われます。パンデミックは数年続く、数億人が亡くなるだろうと推測する学者さんもいます。ただ今のところ、致死率は過去の主要なパンデミックと比べては低い、特に日本においてはかなり低く抑えられています。このまま医療崩壊を一定に収めることができれば、最終的な致死率は、少なくとも日本では過去のパンデミックほど恐ろしい数字にはならないはずです。
大きな災害が起こると、私はいつも『ノアの方舟』のお話を思い出します。
ご存知でしょうか?
キリスト教の旧約聖書に書かれたお話で、争いばかりを起こす人間に失望した神が、大洪水を起こしてすべてを海に沈めてしまい、世界を一から創りなおすお話です。争いをしなかったノアとその家族、方舟にのった動物たちだけが生き残ります。
パンデミックはある意味この洪水と同じ意味を持つのではないか、私たちは試されているのではないか、そんな風に思うのです。
表の一番右の欄を見て頂きたいのですが、パンデミック後には人々の生活に大きな変化が起こっています。
まず、ペスト大流行のため大学が閉鎖され、田舎に疎開していたニュートンは、その地で万有引力をはじめとした3つの大きな発見を行いました。これらの発見が以降の人々の生活を大きく変化させます。
スペイン風邪は、一般的に弱者と考えれるお年寄りや幼児などよりも、戦いに駆り出される若者層の致死率が高かったため、第一次世界大戦を終結へと導きました。
そして、今現在の世界と言えば、グレタさんの活躍に代表される地球温暖化の待ったなしの緊迫した状況。グレタさんは、スピーチの中で、「この状態が続けば地球はあと8年で許容できる二酸化炭素量を超えてしまう」と警笛を鳴らしていました。今回、新型コロナの影響で世界の工場である中国が稼働を停止したこと、人々の外出が減ったことで、二酸化炭素排出量は劇的に改善しています。30年間見えなかったというインド・パンジャブ州からのヒマラヤの風景が復活したり、ベニスの運河の水が透明になり魚が戻ってきたのが確認されたりしています。
日本では、なかなか進まなかったテレワークの導入。育児・介護中の社員が仕事を辞めずにすむにはテレワーク導入が必須とわかっていても、なかなか進まず、IT後進国の汚名を着せられていた日本。今、職場では必要に迫られて、皆が知恵をしぼり試行錯誤を繰り返しています。学校現場での遠隔教育もしかり。テレワーク導入やオンラインラーニングは、災害時に強く、障がい者にも優しい社会への必須条件です。
ちまたでは、ストレスがたまるという声も聞こえますが、この時期に先を見据えて新しいビジネスを考えたり、転職先を探したりと、賢く過ごしている人たちもいます。
これまで「時間がなくて」と先延ばしにしていたこと、誰でも一つくらいあると思います。
是非アフターコロナを見据えて、この時期にやるべきことを考え賢く過ごしたいものです。
最後に、あれだけ精力的に動いていたグレタさん。感染して現在闘病中と聞いています。
一日も早く回復されますように。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。